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葛藤と逡巡と妬みと嫉みと
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 何となく今、人生の岐路に立っている。

 立っているような気がする。

「気がする」だけだけど。

T字路


 帰りの電車の中、僕の前に3人の男が並んで座っていた。一人の初老の会社役員っぽい口ひげを蓄えたダンディな男性と、恐らくその部下と思われる30代後半風の男二人。風体は三人とも普通のサラリーマンと言うよりは、デザイン会社のデザイナーのような感じ。

「自分の十年後を想像出来るか?」
 初老の男が二人に聞いた。
「ええ、出来ますよ」
 と一人の男。しかし、しばし沈黙、そして「漠然とですがね……」
「確かに私も漠然とですが、想像すると、少し怖いですね」
 ともう一人の男。暫く三人は黙り、そして初老の男が口を開いた。
 初老の男は何かたぶん良いことを喋ったような気がするが、その時、僕は初老の男性のセリフを聞かずに、視線を右上に上げ、中吊り広告を見るような感じで、自分の十年後を想像してみた。

 自分の十年後。
 ダラダラと生きている筈なのに、十年後どうありたいか、ハッキリと映像としてヴィジョンが見える。そのヴィジョンを実現するために努力するかしないか、恐らくその違いだけなのだろう。

 努力した後のヴィジョンとしなかった時のヴィジョン。両方が見えた。
 僕はどちらのヴィジョンを現実に変えるのだろうか。それとも今は見えなかったもう一つのヴィジョン?

 そこまで考えた所で電車が駅に滑り込んだ。
 三人の男達は立ち上がり、僕に手刀を切りながら電車を降りていった。

 電車が再び動き出した。いつもなら電車の中では眠っているような思考状態なのに、一度グルグルと思考が動き出したらもう止まらない。
 やはり今、人生の岐路に立っているような気がする。

 それでも、やっぱり、それは「気がする」だけ、だったりなんかするんだけども。

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性別:
男性
誕生日:
1972/11/25
職業:
会社員
趣味:
多数
自己紹介:
 若い頃は転々と職を変え、一時は教習所の教官を経験するも、結局古巣の建設業に戻り、現場監督から、現在は設計者に。
 酒と煙草と家族と亀を愛するアラフォー万年平社員。

 そして職歴と同じようにブログも転々とし、三度地面の下から復活。殆ど時事ネタを書かない、情報としては全く価値のない私的な内容を送る、読んでも全くタメにならない、どーしよーもないこのブログへようこそ。

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