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葛藤と逡巡と妬みと嫉みと
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延期


 天気予報をチェックしていたので、おそらく今日の運動会は駄目だろうと思っていたが、案の定、延期となってしまった。
 中学生になった娘は、初めて「参加する立場」から、「見る立場」になるので、とても楽しみにしていたのだが、残念ながら延期。今度は火曜日なので娘は小学校の運動会を見る事が出来なくなった。「残念……」と娘はこぼしていた。

 午後になり、雨も止んで、子供達も遊びに出かけてしまったので、僕は散歩に出ることにした。大人になって来て非常に残念なのは、子供の頃のように、予め相手のアポを取ることなく友達と遊べなくなった事だろうか。まあ、大人になれば仕事の関係や家庭の関係も有るので、なかなか子供の頃のように、「暇だからアイツの家に行って見るか」的な付き合いは難しくなるモノなのだけれども、少し寂しい気がするのもまた事実である。

 散歩に行こうと洋服を着替えているとき、タンスの上にフィルムが1本転がっているのを見つけた。完全に巻き取られて使用済みの状態である。なんでこんな所に転がっているのか解らないし、何を撮ったかも覚えていないので、散歩がてらフィルムを現像に出すことにした。

 現像を待っているおおよそ1時間のあいだ、地元の街をぶらぶらした。中野の街は道幅が狭い路地が多く、場合によっては1メートルもない道幅もある。僕はあえて細い裏路地を選んで歩いた。
 雨を吸ったアスファルトの臭いとか、湿気を帯びた木々の呼吸の匂いなどが混ざり合い、とても心地よかった。

 時間を潰し終わって写真屋さんに行き、支払いをすると、異常に安い。何故かと思うと、フィルムはなんと3枚しか撮影されていなかったのだ。
 家に帰って写真を見ると、なんとそれは、今はなくなってしまったが、以前贔屓にしていた「高山(こうやま)」という飲み屋の最後の日の写真だった。おおよそ2年ほど前の写真だ。

高山最後の日のマスターと女将さん


 高山の営業最終日は、マスターと女将さんが主催する常連さん限定の日だった。本当に次の日からは暖簾を降ろすという最後の最後の日で、でも、みんな明るく高山での思い出を語り合っていた。写真で見るマスターと女将さんの顔も決して暗くはない。暗くジメジメとした感じで終わるくらいなら、明るく行こうというマスターの心意気が見える。

高山最後の最後のショット


 そして常連さん達とマスターによる最後のショット。
 他のお客さん達は帰ってしまい、このメンバーが最後まで残っていた。多分深夜だったと思う。フィルムもこのショットで終わっていたので、本当に最後の最後だったのだろう。とても懐かしい。またこういうお店に出会いたいモノだ。

 こうやって、忘れた頃にひょこり出てきて、現像すると、思いがけない映像で驚きを与えてくれるフィルム・カメラも、まだまだ捨てたモノじゃないな、と感じる、ちょっとセンチな今日このごろである。

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Ocha
年齢:
51
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性別:
男性
誕生日:
1972/11/25
職業:
会社員
趣味:
多数
自己紹介:
 若い頃は転々と職を変え、一時は教習所の教官を経験するも、結局古巣の建設業に戻り、現場監督から、現在は設計者に。
 酒と煙草と家族と亀を愛するアラフォー万年平社員。

 そして職歴と同じようにブログも転々とし、三度地面の下から復活。殆ど時事ネタを書かない、情報としては全く価値のない私的な内容を送る、読んでも全くタメにならない、どーしよーもないこのブログへようこそ。

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