そうだ、箱根に行こう（その２）

　朝７時に目が覚めた。
　７時半から大食堂で食事。朝もバイキング形式で頂く。大変美味しくて、朝からついつい食べ過ぎてしまった。
　食事を終えて部屋に戻ると、窓から芦ノ湖が見え、そこには昨日乗った海賊船の別タイプの船がゆっくりと出港していった。

　１０時にホテルをチェックアウトすると、その時にホテルから人数分の「箱根園水族館」のチケットを貰った。なので箱根園水族館へ桃源台の駅から小田急高速バスで向かう事にした。もちろん高速バスもフリーパスで乗れるのだ。雨は相変わらず昨日から降り続いている。こういうときに箱物の見学ルートは助かる。

　元々家族は水族館好きなので、楽しい時間を過ごせた。ちゃんとペンギンもアザラシもいるし、大好きなクラゲもいるし亀もいる。マンボウがいないのは少し残念だが、元々マンボウがいる水族館は少ないので気にしない。

　水族館を堪能し、外へ出るとなんと雨が止んで青空が広がりだした。すっかり気をよくした僕たちは、お昼過ぎに再び小田急高速バスに乗り、桃源台へ戻った。ここからロープウェイで大涌谷へ行くのだ。

　昨日は完全に周囲が真っ白だったロープウェーも、今日は絶景。出だしのジェットコースターチックの駅から出発し、一路大涌谷へ。

　大涌谷に到着すると素晴らしい青空が。

　早速息子は設置してある望遠鏡にコインを投入し、胸騒ぎの腰つきで景色を堪能していた。

　ここは箱根火山の噴煙地で、地熱で暖められた卵が有名らしく、僕たちも早速食してみることに。

　袋から出すと、真っ黒である。うーむ。食欲が削がれる色である。アツアツで最初は手に持っていられないほど。

　しかし、当然ながら殻を剥くと白い。塩をかけて……。

　バックリとトップバッターで息子が食べる。本来は卵アレルギーがあるので食べないが、ゆで卵は息子の大好物なので、嬉々として食べる。

　もちろん黄身もちゃんと黄色い。当たり前か……。

　この卵、食べると７年寿命が延びると言われているそうで、実際自分の死ぬときの年齢マイナス７年が本来の寿命と言う事で、まあ、死ぬときまで解らないし、どうとでも言える訳なんだけど、まあ、縁起物と言う事で。

　ふと後ろを見ると、どかんと音がして煙が。見に行くと大砲のような機械で焼き栗（というのかな）を作ってるようだった。さすがにこれは食べなかった。

　再びロープウェイとケーブルカーを乗り継いで強羅に戻る。強羅公園と言うところに行くためである。
　ここも本来は入場料を取る施設なのだけれども、箱根フリーパスを持っていると入場無料である。

　中は、庭園が広がり、静かな落ち着ける場所。目の前のコンビニでワインとジュースと食べ物を予め買っておいた僕たちは、ベンチを陣取りここで遅い昼食を摂る。

　制作工房やクラフトハウス（意味同じじゃないか？）などがあり、色々な体験も出来るようだ。

　
　夕方１６時までこの強羅公園でノンビリして、そろそろ帰り支度を整える。帰りのロマンスカーは１７時半の、なんと展望席の一番前をリザーブしてあるのだ。

　強羅駅前の昔ながらのお土産屋さんで、子供達はお土産を購入。僕は店の前のベンチに座り一服。そのベンチの横にはぎんなんで作ったという人形が大量に飾ってあった。

　登山電車がやって来て、乗り込む。僕の乗りたかった古いタイプの電車だ。

　箱根湯本まではおおよそ４０分の旅。モーター音を響かせて、小さな三両編成の電車は三度のスイッチバックをしながら山を下っていく。

　終点も近い塔ノ沢を過ぎたところで、車内放送があった。どうやら昼前に起きた小田急線の信号トラブルでダイヤが大幅に乱れているそうで、一部運休している電車もあるという。なんだかいやな予感がしたが、平静を装って、終点の箱根湯本駅に到着。するとどういう事だろう、駅の掲示板にはロマンスカー全て運休との文字が。購入した特急券の払い戻しは各駅で応じるとのこと。
　せっかく展望席を取ったのに、パーである。小田原までは各駅停車で行き、小田原からは急行に乗り換え、おおよそ旅情とは縁遠い通勤型電車のロングシートで僕たち家族は家路に就いた。

　最後の最後でバツが着いたが、おおよそ今回の旅行は良かった。行きと帰りの電車の時間から、時間を持て余すかと思ったけれども、そんなこともなく、楽しく休日を満喫できた。
　まだまだ箱根には観ていない場所があるので、今後も時間と予算があれば、また来てみたいと思う。ロマンスカー運休だけは勘弁して貰いたいが……。

（おしまい）

Nikon D90+
AF-S DX NIKKOR 16-85mm F3.5-5.6G ED VR
AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-300mm F4.5-F5.6G (IF)
AiAF NIKKOR 35mm F2D