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葛藤と逡巡と妬みと嫉みと
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 息子R氏が大事にとっておいたお年玉でゲームソフトを買いたいと言い出し、二人で近くのゲームソフト・ショップに行くことにした。彼が持っているお年玉は一万円札1枚と二千円札1枚と千円札1枚の合計一万三千円。大体ソフトは二千円から五千円の間なので、僕は息子に一万円札1枚持っていくように指示した。ずっとお年玉を使うのを我慢していた息子は、あまりのうれしさで、ゲームソフト・ショップまでの約5分の道程をスキップしながら向かっていた。
 お店に着くと、そこは息子にとっては天国のようなゲームソフトの山、山、山……。基本的には中古ソフトのお店なのだが新品も扱っているようで、割合で行くと新品の方が多いようだ。息子はニンテンドーDSか、Wiiのソフトを探していたが、「一本だけだぞ」と念を押していたので、なかなか決められない様子。本来はサッカーのゲームが欲しかったようなのだが、唯一あったサッカーのゲームはシミュレーションゲームのようで、自分の能力と相談しているのか暫く考えた末、結局「みんなで遊べるから」と、Wii Sports Resortを購入することに。お値段4530円。


遊歩道



 ソフトの箱を胸に抱いて息子はレジに向かう。僕も後に続く。「すいませーん」と店員を呼ぶと奥から女性の店員が出てきた。息子はソフトを店員さんに渡す。そして息子はおもむろにポケットから一万円札を取り出し、レジのトレイの上に置いた。
「……」
 息子がトレイに置かれたお札を凝視してる。僕もトレイを見る。
「……」
 トレイの上に置かれたのは一万円札ではなく二千円札だった。
「4530円です」
 店員の声が無情に響く。
 店員はレジに値段を打ち込み、ソフトを袋に詰め始めた。
「おい」
 と僕が小声で息子にいうと、息子は困った顔をして、「お札、間違えた」と小声で僕に返した。
「どうしよう」
 と再び息子が僕に小声で言った。どうしようも何も……と僕は仕方なく自分の財布を取り出した。お金が入っているかとっても不安だったが、運良く僕の財布にはお札が二千円入っていた。あと小銭が530円あるかどうか再び不安に思いながら小銭を確認すると、なんとかギリギリあった。残ったのは1円玉3枚のみだった。

 結局、ソフトの購入に僕が半分以上払ってしまった。僕の財布の中身はスッカラカン。
 今思うと、もしかして息子はわざと二千円札を持ってきたんじゃないかと、少し思っている。考えすぎか?

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プロフィール
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Ocha
年齢:
51
HP:
性別:
男性
誕生日:
1972/11/25
職業:
会社員
趣味:
多数
自己紹介:
 若い頃は転々と職を変え、一時は教習所の教官を経験するも、結局古巣の建設業に戻り、現場監督から、現在は設計者に。
 酒と煙草と家族と亀を愛するアラフォー万年平社員。

 そして職歴と同じようにブログも転々とし、三度地面の下から復活。殆ど時事ネタを書かない、情報としては全く価値のない私的な内容を送る、読んでも全くタメにならない、どーしよーもないこのブログへようこそ。

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