●2月24日
前日愛車のCAAD8をピカピカに磨き上げた僕は、朝、ちょっとだけ睡眠不足の眼をこすりながらマンションのエントランスにCAAD8を従え立っていた。
雨降ってるやん!!
しかし、ぽつぽつ程度だったので、ピカピカにしたボディには悪いケド、そのまま会社に向かって走り出した。
そしてそのおよそ40分後、会社に接近すると……
土砂降りじゃん!!
会社に着いて、JOE君にその話をすると、
「今朝の天気予報確認しないのがいけないのです!!」
ごもっとも。
そしてイノッチにも言うと、
「さすがです。世が世ならネ申ですね」
返す言葉もございません。
さあ、みんなで叫ぼう!
ビバ! 雨男!!
●2月25日
二日目でめちゃくちゃお尻が痛い。暫く乗らないうちに、お尻が軟弱物に成り下がっていたみたいだ。
会社に着いてこの事をイノッチに言うと(何でもイノッチに報告しているな)、
「今日は天気大丈夫ですかね? 現場調査があるんですけれども」
つまり雨が降られると困る、と言うことらしい。
「君は僕のお尻のことより、天気の事が心配なのかい?」
とやさしく訊くと、
「まあ、そりゃそうですよね」
なんという薄情な男だろうか。でも、その日は春のような陽気になり、春一番まで吹いた。陽気は良かったが風を吹かせてしまった。そのお陰で花粉も飛び散ったらしい。今度は風男か? 花粉症の人にはただ謝るばかりだ。
その日は夜勤だった。
20℃にまで上がった気温も夜には一気に一桁まで下がり、寒い夜だった。現場はなんだか知らないけど、担当の2現場とも光のスピードで(嘘)終わり、なんと事務所には2時に到着していた。事務所内には不思議な事だが、どこからともなくイビキが聞こえて来たが、気にしないで引き継ぎ事項をメモして、そそくさと会社を自転車で2時半に出た。相変わらず昼間の強風が吹き荒れていたが、自転車をこぎ出せばたいした事じゃなかった。たまに強風に煽られながら、深夜の街をゆっくりと走った。
後楽園を横目に飯田橋の駅を過ぎた辺りだった。後輪から、ガチガチガチと音がした。どうやら風で飛んできた木っ端がスポークに絡まったらしい。自転車を止めて絡まった木っ端を取り除き再び走り出そうとした瞬間、大きなプシューと言う音。そして後輪のゴリゴリ感。
パンクだ。
なんて事だろう。今日に限って朝忙しかったので、ツールカンを鞄に入れ忘れたのだ。鞄の中には小さな空気入れのみ。とりあえずバルブがゆるんで空気が抜けただけかもと思い、空気を入れてみるが、入れる傍から空気が抜けていく。丁度会社から自宅までの1/3くらいの距離だ、会社に戻るには進みすぎた。自転車をここに置いてタクシーで帰るなんて事は出来ない。僕は決心した。よし、自宅まで自転車を押して歩いて帰ろう。
深夜、トボトボと自転車を押して歩道を歩く。
意外と時間がかからず、市ヶ谷の駅まで来た。モスバーガーの看板付け替え工事をやっていた。今度は緑色の看板になるのかと、上を見上げながら歩く。さらに進んで防衛省の横では強風に煽られ、立っているのもやっとだ。風は冷たく、歩いているので身体は温かいが、グローブの繊維の隙間から冷気が忍び込み、ステムを握っている右手の感覚がなくなってくる。
意外とあっという間に曙橋に。ずんずん進んで坂を登って新宿に到着。信じられない程土曜明け方の新宿は人が少なかった。大ガードを抜けて、新宿警察署を横目に青梅街道を進み、途中左折して神田川沿いへ。ここまでくれば家はもうすぐ。歩き始めた時から聴いていたiPhoneからリンキンパークが流れ出したのボリュームを少し上げてテンションを上げる。
そして家に到着。
5:00A.M.
家では奥様が起きていて、その話をしたら「やるねぇ~」と一言。焼酎を一杯もらい、一口含むと疲れがどっと出た。崩れるようにソファで眠りについた。
眼が覚めて娘に昨晩の話をすると、
「あはは、ドンマイじゃん!!」
と大爆笑。
自転車通勤復活の二日間は、色々な出来事が凝縮された二日間だった。
次の自転車通勤は月曜日。
このパターンで行くと……。
おそらく雨だろう。
前日愛車のCAAD8をピカピカに磨き上げた僕は、朝、ちょっとだけ睡眠不足の眼をこすりながらマンションのエントランスにCAAD8を従え立っていた。
雨降ってるやん!!
しかし、ぽつぽつ程度だったので、ピカピカにしたボディには悪いケド、そのまま会社に向かって走り出した。
そしてそのおよそ40分後、会社に接近すると……
土砂降りじゃん!!
会社に着いて、JOE君にその話をすると、
「今朝の天気予報確認しないのがいけないのです!!」
ごもっとも。
そしてイノッチにも言うと、
「さすがです。世が世ならネ申ですね」
返す言葉もございません。
さあ、みんなで叫ぼう!
ビバ! 雨男!!
●2月25日
二日目でめちゃくちゃお尻が痛い。暫く乗らないうちに、お尻が軟弱物に成り下がっていたみたいだ。
会社に着いてこの事をイノッチに言うと(何でもイノッチに報告しているな)、
「今日は天気大丈夫ですかね? 現場調査があるんですけれども」
つまり雨が降られると困る、と言うことらしい。
「君は僕のお尻のことより、天気の事が心配なのかい?」
とやさしく訊くと、
「まあ、そりゃそうですよね」
なんという薄情な男だろうか。でも、その日は春のような陽気になり、春一番まで吹いた。陽気は良かったが風を吹かせてしまった。そのお陰で花粉も飛び散ったらしい。今度は風男か? 花粉症の人にはただ謝るばかりだ。
その日は夜勤だった。
20℃にまで上がった気温も夜には一気に一桁まで下がり、寒い夜だった。現場はなんだか知らないけど、担当の2現場とも光のスピードで(嘘)終わり、なんと事務所には2時に到着していた。事務所内には不思議な事だが、どこからともなくイビキが聞こえて来たが、気にしないで引き継ぎ事項をメモして、そそくさと会社を自転車で2時半に出た。相変わらず昼間の強風が吹き荒れていたが、自転車をこぎ出せばたいした事じゃなかった。たまに強風に煽られながら、深夜の街をゆっくりと走った。
後楽園を横目に飯田橋の駅を過ぎた辺りだった。後輪から、ガチガチガチと音がした。どうやら風で飛んできた木っ端がスポークに絡まったらしい。自転車を止めて絡まった木っ端を取り除き再び走り出そうとした瞬間、大きなプシューと言う音。そして後輪のゴリゴリ感。
パンクだ。
なんて事だろう。今日に限って朝忙しかったので、ツールカンを鞄に入れ忘れたのだ。鞄の中には小さな空気入れのみ。とりあえずバルブがゆるんで空気が抜けただけかもと思い、空気を入れてみるが、入れる傍から空気が抜けていく。丁度会社から自宅までの1/3くらいの距離だ、会社に戻るには進みすぎた。自転車をここに置いてタクシーで帰るなんて事は出来ない。僕は決心した。よし、自宅まで自転車を押して歩いて帰ろう。
深夜、トボトボと自転車を押して歩道を歩く。
意外と時間がかからず、市ヶ谷の駅まで来た。モスバーガーの看板付け替え工事をやっていた。今度は緑色の看板になるのかと、上を見上げながら歩く。さらに進んで防衛省の横では強風に煽られ、立っているのもやっとだ。風は冷たく、歩いているので身体は温かいが、グローブの繊維の隙間から冷気が忍び込み、ステムを握っている右手の感覚がなくなってくる。
意外とあっという間に曙橋に。ずんずん進んで坂を登って新宿に到着。信じられない程土曜明け方の新宿は人が少なかった。大ガードを抜けて、新宿警察署を横目に青梅街道を進み、途中左折して神田川沿いへ。ここまでくれば家はもうすぐ。歩き始めた時から聴いていたiPhoneからリンキンパークが流れ出したのボリュームを少し上げてテンションを上げる。
そして家に到着。
5:00A.M.
家では奥様が起きていて、その話をしたら「やるねぇ~」と一言。焼酎を一杯もらい、一口含むと疲れがどっと出た。崩れるようにソファで眠りについた。
眼が覚めて娘に昨晩の話をすると、
「あはは、ドンマイじゃん!!」
と大爆笑。
自転車通勤復活の二日間は、色々な出来事が凝縮された二日間だった。
次の自転車通勤は月曜日。
このパターンで行くと……。
おそらく雨だろう。
そもそもの始まりは娘が朝ご飯が食べたいから炊いておいてと僕に言ったことからだった。
「おっしゃー、そんなら自分で弁当作って持って行くかー」
と、よせば良いのに生まれて初めての自分で自分の弁当を作ろうと思い立ち、奥様と子供達が寝静まってからいそいそと準備を始めた。
断って置くが、僕は料理が大の苦手である。
中学生の頃、家庭科で習った焼きそばを自宅で実践してみたらラーメンになっていた程だ(汁がサラダ油なのね)。学校ではチャンと出来たのにね。おかしいね。
他には野菜炒めがミネストローネになっていた事もあった(これも汁がサラダ油だったのね。つまり油敷きすぎ)。家庭科室じゃちゃんと野菜炒めになったのにね。不思議だね。世界の七不思議の一つだったよ。
って、そのくらいの僕が作るのだ。今回はチャンとした準備が必要だった。冷蔵庫をチェックして、ベーコンを焼いたのと、出汁巻き卵を作ることに決定し、ベーコン焼くくらいは朝でいいから、出汁巻き卵を今夜中に作って置こうとインターネットでレシピをチェック。上手いことに四角いフライパンもあった。
でもね。スクランブルエッグになっちゃったんだよね。
甘ーい出汁の味するスクランブルエッグに。
頭来て、かなり心が折れて弁当持って行く気分が全くと言っていいほど無くなったんだけど、さすがに料理した卵が勿体ないので、炊飯器にお米をセットしてふて腐れぎみに寝た。
翌日、朝起きると、ちゃんとご飯が炊けていた。
弁当箱を取り出して炊けたお米を弁当箱に詰めると、なんだかお米が柔らかい。おかしいな、ちゃんと3合分の水のラインにきっちり入れたのに。でもべちゃべちゃって訳じゃないから諦めて詰めて、昨日の出汁巻き卵、もとい、スクランブルエッグを弁当箱に詰めて、フライパンでベーコンを焼いた。僕の脳内ではベーコンはカリカリに焼ける予定だったんだけど、なんだかベチャベチャ。でも勿体ないので弁当箱に詰める。お米にゴマシオを振りかけて、さー完成。生まれて初めての自分で作ったお弁当。
弁当箱を入れる袋を探したんだけど見当たらないのでそのまま弁当箱をリュックに詰め込んで会社に向かう。
会社に着いて弁当箱を取り出すと、なんと弁当箱はひっくり返っていて、弁当箱の隙間からベーコンの油がダラダラでていた。なんてこった、リュックがめちゃくちゃベーコン臭いぞ。
幸いリュックは防水になっているので濡れたタオルで拭いて何とかなったが、問題はお弁当。なんだか弁当箱自体にも汁がついていて、嫌な匂いが。食欲が失せる。
それでもお昼になったらお腹がすいて、仕方がないので自分で作った弁当を食べる。
うーん。
美味しくない。
僕はあまり食べ物を不味いとか思わないんだけど。ハッキリ言って美味しくない。ご飯もやっぱり軟らかい。でも勿体ないから全部食べる。スクランブルエッグは妙に甘いし、ベーコンも焦げていて炭の味がする。炭食った事無いけど。
会社帰り。
自分なりに反省して、明日ももう一度弁当を持って行こうと決心する。今日と同じ献立でリベンジだ。毎日自分で持って行けば昼弁当を買わない分だけ貯金が出来て、マック貯金も進むんじゃないか。いいぞ。頑張って不味くても自分で弁当を作って行こう。
自宅へ着いて、シンクに溜まった洗い物を片付けて、弁当箱を洗って、米櫃に向かって「2合」のレバーを押す。
すると普段なら「ザーッ」と音と共にお米がトレイに出てくるのだが、今回は「カラカラ」となんだか軽い音がして、トレイに出てきたお米は数十粒だった。
あ。米がない。
そうか、今朝のご飯が軟らかかったのは、お米が3合分出てなかったからなのか。
僕はトレイに載った数十粒のお米を米櫃に戻して、食器棚からグラスを取り出し、焼酎をナミナミと注いで飲んだ。そして一息付きキッチンに呆然と立ち尽くした。外はしんしんと大粒の雪が降っていた。
僕の夢は儚くも潰えた。
「おっしゃー、そんなら自分で弁当作って持って行くかー」
と、よせば良いのに生まれて初めての自分で自分の弁当を作ろうと思い立ち、奥様と子供達が寝静まってからいそいそと準備を始めた。
断って置くが、僕は料理が大の苦手である。
中学生の頃、家庭科で習った焼きそばを自宅で実践してみたらラーメンになっていた程だ(汁がサラダ油なのね)。学校ではチャンと出来たのにね。おかしいね。
他には野菜炒めがミネストローネになっていた事もあった(これも汁がサラダ油だったのね。つまり油敷きすぎ)。家庭科室じゃちゃんと野菜炒めになったのにね。不思議だね。世界の七不思議の一つだったよ。
って、そのくらいの僕が作るのだ。今回はチャンとした準備が必要だった。冷蔵庫をチェックして、ベーコンを焼いたのと、出汁巻き卵を作ることに決定し、ベーコン焼くくらいは朝でいいから、出汁巻き卵を今夜中に作って置こうとインターネットでレシピをチェック。上手いことに四角いフライパンもあった。
でもね。スクランブルエッグになっちゃったんだよね。
甘ーい出汁の味するスクランブルエッグに。
頭来て、かなり心が折れて弁当持って行く気分が全くと言っていいほど無くなったんだけど、さすがに料理した卵が勿体ないので、炊飯器にお米をセットしてふて腐れぎみに寝た。
翌日、朝起きると、ちゃんとご飯が炊けていた。
弁当箱を取り出して炊けたお米を弁当箱に詰めると、なんだかお米が柔らかい。おかしいな、ちゃんと3合分の水のラインにきっちり入れたのに。でもべちゃべちゃって訳じゃないから諦めて詰めて、昨日の出汁巻き卵、もとい、スクランブルエッグを弁当箱に詰めて、フライパンでベーコンを焼いた。僕の脳内ではベーコンはカリカリに焼ける予定だったんだけど、なんだかベチャベチャ。でも勿体ないので弁当箱に詰める。お米にゴマシオを振りかけて、さー完成。生まれて初めての自分で作ったお弁当。
弁当箱を入れる袋を探したんだけど見当たらないのでそのまま弁当箱をリュックに詰め込んで会社に向かう。
会社に着いて弁当箱を取り出すと、なんと弁当箱はひっくり返っていて、弁当箱の隙間からベーコンの油がダラダラでていた。なんてこった、リュックがめちゃくちゃベーコン臭いぞ。
幸いリュックは防水になっているので濡れたタオルで拭いて何とかなったが、問題はお弁当。なんだか弁当箱自体にも汁がついていて、嫌な匂いが。食欲が失せる。
それでもお昼になったらお腹がすいて、仕方がないので自分で作った弁当を食べる。
うーん。
美味しくない。
僕はあまり食べ物を不味いとか思わないんだけど。ハッキリ言って美味しくない。ご飯もやっぱり軟らかい。でも勿体ないから全部食べる。スクランブルエッグは妙に甘いし、ベーコンも焦げていて炭の味がする。炭食った事無いけど。
会社帰り。
自分なりに反省して、明日ももう一度弁当を持って行こうと決心する。今日と同じ献立でリベンジだ。毎日自分で持って行けば昼弁当を買わない分だけ貯金が出来て、マック貯金も進むんじゃないか。いいぞ。頑張って不味くても自分で弁当を作って行こう。
自宅へ着いて、シンクに溜まった洗い物を片付けて、弁当箱を洗って、米櫃に向かって「2合」のレバーを押す。
すると普段なら「ザーッ」と音と共にお米がトレイに出てくるのだが、今回は「カラカラ」となんだか軽い音がして、トレイに出てきたお米は数十粒だった。
あ。米がない。
そうか、今朝のご飯が軟らかかったのは、お米が3合分出てなかったからなのか。
僕はトレイに載った数十粒のお米を米櫃に戻して、食器棚からグラスを取り出し、焼酎をナミナミと注いで飲んだ。そして一息付きキッチンに呆然と立ち尽くした。外はしんしんと大粒の雪が降っていた。
僕の夢は儚くも潰えた。
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プロフィール
HN:
Ocha
年齢:
51
HP:
性別:
男性
誕生日:
1972/11/25
職業:
会社員
趣味:
多数
自己紹介:
若い頃は転々と職を変え、一時は教習所の教官を経験するも、結局古巣の建設業に戻り、現場監督から、現在は設計者に。
酒と煙草と家族と亀を愛するアラフォー万年平社員。
そして職歴と同じようにブログも転々とし、三度地面の下から復活。殆ど時事ネタを書かない、情報としては全く価値のない私的な内容を送る、読んでも全くタメにならない、どーしよーもないこのブログへようこそ。
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